母乳とミルクの違い

母乳育児の特徴

赤ちゃんが生まれた時、最初の食事として飲ませることになるのが母乳です。

生まれて最初に飲む母乳のことを「初乳」と言いますが、初乳は出産後すぐの時期にのみ出るという特長があります。

赤ちゃんを出産するということは、母体にとっても大きな体の変化です。
初乳は色味が黄色に近いクリーム色をしており、どろりとした粘度があります。

この初乳には鉄分やタンパク質、オリゴ糖、ビタミンなどの栄養分が大量に含まれており、それを飲むことで赤ちゃんにとって必要な栄養分を少ない量で十分に得ることができるのです。

初乳を赤ちゃんが飲むことにより、母親にとってもその後に母乳が出やすくなるという効果があるので、産科や助産院で出産をしたときには、出産が終わってすぐに初乳を飲ませるように指導をしてくれます。

ただし初乳の出方には個人差があり、なかなか出てこないという人もいるものです。
初乳が出る時期は出産後短い時間のみですが、この間にマッサージや赤ちゃんの授乳により、少しずつ母乳が出やすくなっていきます。

その後母乳で育てるかどうかはともかくとして、この初乳を赤ちゃんに飲ませることで免疫力を高め母子のつながりを高めることができるので、最初の時期はできるだけ母乳を使用するようにしましょう。

必ずしも初乳を飲まなかったからといってそれが子供に重大な健康作用を及ぼすというわけではないのですが、母乳育児をしていくことにより母親として体が変化し、子供とのコミュニケーションをとっていくことができます。

ミルク育児の特徴

数十年前までは「母乳神話」と言ってもよいほど「赤ちゃんは母乳で育てるもの」という常識がありました。

確かに母乳による育児にはメリットがありますが、だからといって「母乳で育てられない子供は不幸」というような先入観は全くの間違いです。

近年ではあえて母乳を与えずにミルクで育てる「完ミ」と言われる育児方法も推奨されるようになっており、母親以外の人が育児に参加できる方法として使用されています。

メリット・デメリット

母乳による育児はWHOが生後6ヶ月まではそうするのが望ましいとしているように、母子ともにメリットの大きいものです。

しかし一方で母乳が出にくい母親にとっては痛みを伴うものであったり、時間がかかりすぎてしまったりというデメリットがあります。

完ミや、母乳とミルクの混合の場合、赤ちゃんの授乳を母親以外の人でも簡単にでき、また赤ちゃんが飲んだミルクの量が分かりやすいというメリットがあります。

お出かけをするときなどはミルクの方がずっと使いやすいので、母乳がよいからといってあまり固執せず、上手に使い分けていきたいところです。